1)頸椎変性疾患
特徴
頸椎(けいつい)とは首の脊椎のことです。頸椎の脊柱管に異常(変形性頸椎症、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎後縦靭帯骨化症など)があると首の脊髄(頸髄:けいずいと言います)が圧迫されしびれを発症します。これを頸椎性脊髄症や頸椎性神経根症と言います。手のしびれに加え後頚部から上背部の痛みがあり、手先が不器用(お箸やボタンかケガ上手くできなくなったり)になるのが特徴です。
診断方法
- 診察:皮膚の感覚領域と脊髄神経は対応しています。これをデルマトームと言います。患者様のしびれの領域がどこの脊髄レベルに異常が生じているのかチェックします。次に両手をまっすぐ前に伸ばしてもらい、両手の開閉を10秒間してもらいます(alternative motion rate ; AMRと言います)。10秒間で25回以上できなければ異常所見となります。
- レントゲン検査:頸椎の変形のチェック(骨棘の有無、椎間孔狭窄)
- 頸髄MRI検査:診断に欠かせない画像検査です。脊髄の圧迫所見(水平断)、椎間孔狭窄(矢状断)、神経根の走行(冠状断)で確認します。
治療方法
しびれのみの症状の場合は内服薬で治療します。しかし、運動麻痺や耐え難い痛みが伴う場合はMRI検査の所見も合わせて手術加療を検討します。手術は実績及び成績が良い医師と十分に相談した上で行う必要があります。私が信頼するエキスパートに紹介させていただきます。
2)腰部脊柱管狭窄症、腰部椎間板ヘルニア
特徴
腰椎(けいつい)とは腰の脊椎のことです。腰椎の脊柱管に異常(腰部脊柱狭窄症、腰部椎間板ヘルニアなど)があると腰の脊髄(腰髄:ようずいと言います)が圧迫されしびれを発症します。足のしびれに加え腰痛を伴うのが特徴です。また、歩行により足に痛みが生じ、長距離歩行に支障をきたす(間欠性跛行と言います)ことも多いです。特に足の痛みは太もも、膝、ふくらはぎの外側に生じます。痛みは変形性膝関節症が膝の内側、脊柱管狭窄症が膝の外側と覚えましょう。
診断方法
- 診察:患者様のしびれの領域がどこの脊髄レベルに異常が生じているのかデルマトームをチェックします。次に仰臥位になった状態でまっすぐ足を伸ばしてもらい挙上させ、足にしびれや痛みが誘発されるかチェックします(Strait leg raising ; SLRと言います)。70度以下の挙上で誘発されると異常所見となります。
- レントゲン検査:腰椎の変形のチェック(骨棘の有無、腰椎分離症の有無)
- 頸髄MRI検査:診断に欠かせない画像検査です。脊髄の圧迫所見(水平断)、椎間孔狭窄(矢状断)、神経根の走行(冠状断)で確認します。
治療方法
しびれのみの症状の場合は内服薬で治療します。しかし、運動麻痺や耐え難い痛みが伴う場合はMRI検査の所見も合わせて手術加療を検討します。手術は実績及び成績が良い医師と十分に相談した上で行う必要がありますので、私が信頼するエキスパートに紹介させていただきます。